(2.7) 極値

ある領域 $D$ で定義された関数 $z=f(x,y)$ を考える。
$D$ の内点 $(a,b)$ の近くの任意の $(x,y)$ に対して $f(a,b)\gt f(x,y)$ が成立するとき $(a,b)$ を関数 $z=f(x,y)$ の極大点といい,$f(a,b)$ を 極大値という。 もう少しきちんと述べると, $$\exists \delta\gt0\quad \any (x,y)\in D\quad 0\lt \sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2}\lt\delta\naraba f(x,y)\lt f(a,b)$$ が成立しているとき, $(a,b)$ を関数 $z=f(x,y)$ の極大点といい, $f(a,b)$ を極大値という。
また $(a,b)$ の近くの任意の $(x,y)$ に対して $f(a,b)\lt f(x,y)$ が成立するとき $(a,b)$ を関数 $z=f(x,y)$ の極小点といい, $f(a,b)$ を極小値という。 正確には $$\exists \delta\gt 0\quad \any (x,y)\in D\quad 0\lt\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2}\lt\delta\naraba f(x,y)\gtf(a,b)$$ が成立しているとき, $(a,b)$ を関数 $z=f(x,y)$ の極小点といい,$f(a,b)$ を極小値という。
極大点または極小点を極点と呼び, 極大値または極小値を極値という。
極大値の定義において $f(x,y)\lt f(a,b)$を $f(x,y)\leqq f(a,b)$ に置き換えたとき 広義の極大といい, $f(a,b)$を 広義の極大値という。 極小値の定義において $f(x,y)\gt f(a,b)$を $f(x,y)\geqq f(a,b)$ に置き換えたとき 広義の極小といい, $f(a,b)$ を 広義の極小値という。 広義の極点広義の極値も同様に定義できる。
関数 $z=f(x,y)$ が $f_x(a,b)=0$ かつ $f_y(a,b)=0$ を満たすとき,点$(a,b)$ を 関数 $z=f(x,y)$ の臨界点と呼ぶ。 1変数関数と同様に $z=f(x,y)$ が点 $(a,b)$ で (広義の)極値をとれば,$(a,b)$ が臨界点であることが分かる。 即ち次が成立する。
命題 2.27 $(a,b)$ が $f$ の(広義の)極点ならば,$(a,b)$ は $f$ の臨界点である。

演習問題 2.32
命題 2.27を示せ。

例 2.28 典型的な,極点,臨界点の例をあげよう。
  1. $z=f(x,y)=x^2+y^2$ とすると,$(0,0)$ は極小点である。
    $P_0=(0,0)$ で関数は $f(P_0)=0$ であるが, $P=(x,y)\neq P_0$ のとき $x^2+y^2\gt0$ なので $f(P)\gt0$である。よって$f(P)\gt f(P_0)$ が成立している。
  2. $z=f(x,y)=-x^2-y^2$ とすると $(0,0)$ は極大点である。 これは(1)と同様に示される。
  3. $z=f(x,y)=x^2-y^2$ とする。$(0,0)$ は臨界点であるが,極点ではない。
    $z_x=2x,z_y=-2y$ なので $(0,0)$ は臨界点である。
    $(0,0)$ が極大点だと仮定すると $(0,0)$ の十分近くの $(x,y)$ に対し $f(x,y)\lt f(0,0)=0$ でなくてはならない。 しかし $(0,0)$ の十分近くの $(x,0)$ に対して $f(x,0)=x^2\gt0$ となる。よって極大点ではない。
    $(0,0)$ が極小点だと仮定すると $(0,0)$ の十分近くの $(x,y)$ に対し $f(x,y)\gt f(0,0)=0$ でなくてはならない。 しかし $(0,0)$ の十分近くの $(0,y)$ に対して $f(0,y)=-y^2\lt0$ となる。よって極小点ではない。

例 2.28 からも分かるように, 「臨界点ならば極点である」は一般に成立しない。 極値を判定するため次を定義する。
関数 $z=f(x,y)$ に対し $$H(x,y)=f_{xx}(x,y)f_{yy}(x,y)-\big(f_{xy}(x,y)\big)^2 =\left|\begin{array}{cc}{f_{xx}}&{f_{xy}}\\ {f_{yx}}&{f_{yy}}\end{array}\right|$$ を $z=f(x,y)$ のヘッシャン(Hessian)と呼ぶ。 ここで $\left|\begin{array}{cc}{a}&{b}\\ {c}&{d}\end{array}\right| =ad-bc$は行列式を表す。 このとき次が成立する。

定理 2.29 $(a,b)$ を関数 $z=f(x,y)$ の臨界点とするとき,次が成立する。
[1] $H(a,b)\gt0$ のとき $(a,b)$ は $f(x,y)$ の極点である。
  1. $f_{xx}(a,b)\gt 0$ のとき $f(a,b)$ は極小値である。
  2. $f_{xx}(a,b)\lt 0$ のとき $f(a,b)$ は極大値である。
[2] $H(a,b)\lt0$のとき$(a,b)$は極点でない。
[3] $H(a,b)=0$のときはこれだけでは分からない。 極点になる場合もならない場合もある。

注意 2.30 ヘッシャンが変数の順序によらないことを注意しておく。 $z=f(x,y)$ において変数 $x,y$ の順序を入れ替えて $z=f(y,x)$と考える。このときヘッシャンは $$H(y,x)=\left|\begin{array}{cc}{f_{yy}}&{f_{yx}}\\ {f_{xy}}&{f_{xx}}\end{array}\right|$$ となるが,これは $H(x,y)$ と一致する。 すなわちヘッシャンは独立変数の順序によらず定まる。

例 2.31 例 2.28 に関して定理 2.29 が成立していることを見よう。 最初に $z=f(x,y)=x^2+y^2$ を考える。 $$f_x=2x,\quad f_y=2y,\quad f_{xx}=2,\quad f_{xy}=0,\quad f_{yy}=2$$ なので,ヘッシャンは \begin{align*} H(x,y)&= \left|\begin{array}{cc}{2}&{0}\\ {0}&{2}\end{array}\right|=4\gt0 \end{align*} であり,$f_{xx}(0,0)=2\gt0$ となっている。 定理によると,極小になる。 すでに見たように実際極小になっている。
次に $z=f(x,y)=-x^2-y^2$ を考える。 $$f_x=-2x,\quad f_y=-2y,\quad f_{xx}=-2,\quad f_{xy}=0,\quad f_{yy}=-2$$ なので,ヘッシャンは \begin{align*} H(x,y)&=\left|\begin{array}{cc}{-2}&{0}\\ {0}&{-2}\end{array}\right|=4\gt0 \end{align*} であり,$f_{xx}(0,0)=-2\lt0$ となっている。定理によると,極大になる。
最後に $z=f(x,y)=x^2-y^2$ を考える。 $$f_x=2x,\quad f_y=-2y,\quad f_{xx}=2,\quad f_{xy}=0,\quad f_{yy}=-2$$ なので,ヘッシャンは \begin{align*} H(x,y)&=\left|\begin{array}{cc}{2}&{0}\\ {0}&{-2}\end{array}\right|=4\gt0=-4\lt0 \end{align*} であり,定理によると極点にならない。

演習問題 2.33
2次関数 $z=f(x,y)=Ax^2+2Bxy+Cy^2$, $(a,b)=(0,0)$ に対して定理 2.29 が成立することを示せ。 (ヒント:$y\neq0$ のとき関数を $y^2$ で割って,$t=\frac xy$ とおくと, 2次方程式の判別式が使える。)
演習問題[*] 2.34
定理 2.29 を証明せよ。

例 2.32 $z=f(x,y)=x^4+y^4+2x^2y^2-2y^2$ の極点を調べよう。 最初に極点候補となる臨界点を求めよう。 $z_x=4x^3+4xy^2=0$, $z_y=4y^3+4x^2y-4y=0$ の共通解が求めるものになる。 この連立方程式を実数の範囲で解くと臨界点が得られる。
$z_x=4x(x^2+y^2)=0$ のとき $$x(x^2+y^2)=0\,\narababa \,x=0\,\hs\text{または}\hs x^2+y^2=0$$ であるが, $x,y$ が実数のときは $$x^2+y^2=0\narababa x=0\hs\text{かつ}\hs y=0$$ なので $$x(x^2+y^2)=0\narababa x=0$$ である。 $x=0$ を $z_y=0$ に代入して $$y^3-y=y(y-1)(y+1)=0$$ を得る。 よって求める臨界点は $(x,y)=(0,0),(0,1),(0,-1)$ である。
$z_{xx}=12x^2+4y^2$, $z_{xy}=8xy$, $z_{yy}=12y^2+4x^2-4$ なので $H(0,\pm1)=32\gt 0$, $H(0,0)=0$となる。 定理 2.29 より, $(0,\pm1)$ で極小点である。 $H(0,0)=0$ なので $(0,0)$ の様子は定理 2.29 からは分からない。個別に調べなければならない。 この場合は極点になりそうもないと当りをつけてそれを示す。
$x$ 軸上に制限して考えると, $f(x,0)=x^4$ である。$x$ 軸上では $(0,0)$ は極小, 即ちいくらでも近くに $f(0,0)$ より大きな値を取る点が存在する。 $y$ 軸上に制限すると $f(0,y)=y^4-2y^2$ でこの4次関数は $y$ 軸上では $(0,0)$ で極大, 即ちいくらでも近くに $f(0,0)$ より小さい値を取る点が存在する。 2つを合わせると $(0,0)$ が極点でないことが分かる。

演習問題[*] 2.35
次の関数の極点を求めよ。
  1. $z=x^2-xy+y^2-2x+3y+1$
  2. $z=x^2-5xy+2y^2+x-y-3$
  3. $z=(x+y)^2+x^4+y^4$
  4. $z=2x^3+xy^2+5x^2+y^2$
  5. $z=(y-x^2)^2+x^5$
  6. $z=x^3+2xy^2-3x^2-3y^2-1$
  7. $z=x^3-3xy+y^3$
  8. $z=xy(x^2+y^2-1)$
  9. $z=x^4+y^4-2x^2+4xy-2y^2$
  10. $z=\dfrac{ax+by}{x^2+y^2+1}\hS (a\neq0,b\neq0$)
  11. $z=e^{-(x^2+y^2)}(ax^2+by^2)\hS (a\gt b\gt 0$)

最大値・最小値を与える点は領域の内点ならば広義の極値になっているので, 最大値・最小値を求めるとき極値問題を適用できる。 次の例を考える。

辺の和が一定の直方体の中で体積最大になるものを求めよ。

3辺の長さを $x,y,z$ とする。和が一定なので, それを $4\el$ とすると,$x+y+z=\el$ である。 体積を $V$ とすると, $V=xyz=xy(\el-x-y)$ である。 $V$ を $x,y$ の関数と考えると, $\dfrac{\bd V}{\bd x}=y(\el-2x-y)$, $\dfrac{\bd V}{\bd y}=x(\el-x-2y)$ である。 $(x,y)$ を $V$ の最大値を与える点とすると, $V$は $(x,y)$で広義の極大である。 命題 2.27 より,$(x,y)$ は 連立方程式 $\dfrac{\bd V}{\bd x}=0, \dfrac{\bd V}{\bd y}=0$ の解となる。 この連立方程式を解くと $x=y=\dfrac{\el}{3}$ を得る。 $z=\dfrac\el3$ なので 求めるものは立方体である。

この解法は一見よさそうに思われるが,良く考えてみると示しているのは 『最大値が存在するならば $x=y=\dfrac{\el}{3}$ で最大値をとる』ということだけである。 最大値の存在証明もするためには以前述べた次の定理を必要とする。

定理 2.8 [最大値定理] 有界閉集合で定義された連続関数は最大値・最小値をとる。

また次の命題も必要になる。

命題 2.33 領域 $D$ で定義された関数が最大値をとるとき次のいずれかである。
  1. 領域の内部にある臨界点である。
  2. 境界上の点である。

演習問題[*] 2.36
命題 2.33 を証明せよ。

上の問題についてもう一度最大値の存在証明も含めて考えよう。 そのためには有界閉集合の問題にする必要がある。 つまり直方体だけでなく「つぶれた直方体」も考える必要が出て来る。
正の定数 $\el$ に対し $V=V(x,y)=xy(\el-x-y)$ とおく。 $$D=\set{(x,y)\in\R^2}{x\geqq0,\hs y\geqq0,\hs x+y\leqq\el}$$ 上で $V$ の最大値を求める問題を考える。 $D$ は有界閉集合で,$V$ は連続関数なので最大値が存在する。 境界上または内部の臨界点で最大になるのでそれを調べる。 $D$の境界$\bd D$は $$\bd D=\set{(x,0)}{0\leqq x\leqq \el}\cup \set{(0,y)}{0\leqq y\leqq\el}\cup \set{(x,\el-x)}{0\leqq x\leqq \el}$$ なので 境界上での値は $V=0$ である。
$V$ の臨界点は $\left(\dfrac{\bd V}{\bd x},\dfrac{\bd V}{\bd y}\right)=(0,0)$ をみたすので \begin{align}\label{Saidai_One} \dfrac{\bd V}{\bd x}=y(\el-2x-y)&=0\\ \dfrac{\bd V}{\bd y}=x(\el-x-2y)&=0\label{Saidai_Two} \end{align} である。 式(\ref{Saidai_One})より $y=0$ または $\el-2x-y=0$, 式(\ref{Saidai_Two})より $x=0$ または $\el-x-2y=0$ となるので
[1] $y=0$かつ$x=0$,
[2] $y=0$かつ$\el-x-2y=0$,
[3] $\el-2x-y=0$かつ$x=0$,
[4] $\el-2x-y=0$かつ$\el-x-2y=0$
の4つの場合に分かれる。 [1] のときは $(x,y)=(0,0)$, [2] のときは $(x,y)=(\el,0)$, [3] のときは $(x,y)=(0,\el)$, [4] のときは $(x,y)=\kakko{\dfrac\el3,\dfrac\el3}$ となる。 [1],[2],[3]の解は境界上の点なので前で扱っている。 領域の内部にあるのは $(x,y)=\kakko{\dfrac\el3,\dfrac\el3}$ であり $$V\kakko{\frac\el3,\frac\el3}=\frac{\el^3}{27}$$ となる。 境界上の点と内点の極値の値を比べることで $(x,y)=\kakko{\dfrac\el3,\dfrac\el3}$ のとき最大になることが分かる。 即ち立方体のとき体積は最大である。

演習問題[*] 2.37
  1. $x+y+z=a\;(a\lt0)$のとき $D=\set{(x,y,z)\in\R^3}{x\geqq0,y\geqq0,z\geqq0}$ における $x^3y^3z$ の最大値を求めよ。
  2. $D=\set{(x,y)\in\R^2}{x^2+y^2\leqq1}$ における $z=f(x,y)=(1-x^2-y^2)x^2y$ の最大値を求めよ。
  3. $f(x,y)=(x+1)^2+(y+1)^2$,$D=\set{(x,y)}{-2\le x\le2,-2\le y\le2}$ とする。 $D$ における $f(x,y)$ の最大値を求めよ。
  4. $D=\set{(x,y)}{-1\le x\leqq1,-1\leqq y\leqq1}$ における $f(x,y)=x^2-y^2$ の最大値を求めよ。
  5. 3辺の和が一定の三角形の中で面積最大のものを求めよ。
  6. 定円に内接する三角形のなかで面積最大のものを求めよ。
  7. 定円に内接する三角形のなかで面積最小のものを求めよ。

(2.8) 陰関数

高校時代に次の様な議論をしたかもしれない。 式 $x^2+y^2=1$ は式であり関数 $y=f(x)$ が定義されていないのに $y=f(x)$ と見て微分している。しかしこの式により円の接線を正しく計算できる。 このような議論をどう考えれば正当化できるのであろう。
ここで式 $x^2+y^2=1$ は明示的に関数を定義しているわけではないが, 陰覆的に関数を定義してると考える。 この議論をきちんと述べよう。

定義 2.34 関数 $F(x,y)$ と $F(a,b)=0$ となる点 $(a,b)$ に対し, $a$の近傍 $(*1)$ で定義された関数 $y=f(x)$ が存在して,
1) 定義されている任意の $x$ に対し $F(x,f(x))=0$,
2) $b=f(a)$,が成立するとき,
$F$ は点 $(a,b)$ の近傍で,陰関数 $y=f(x)$ を定めるという。 またこの $f$ を $(a,b)$ の近傍で定まる陰関数という。

定理 2.35 $F(x,y)$ に対し $F(a,b)=0$,$F_y(a,b)\neq 0$ ならば $F$ は $(a,b)$ の近傍で陰関数 $y=f(x)$ を定める。 $F$ が $C^{r}$ 級のとき $f$ も $C^{r}$ 級であり, $\dfrac{dy}{dx}=-\dfrac{F_x}{F_y}$となる。

式 $\dfrac{dy}{dx}=-\dfrac{F_x}{F_y}$ は $F(x,f(x))=0$ を $x$ で微分すれば ($F(x,y)=0$ において $y$ を $x$ の関数と見て $x$ で微分すれば)自然に導かれる。 2階導関数 $\dfrac{d^2y}{dx^2}$ も $F(x,f(x))=0$ を $x$ で2回微分すれば自然に導かれる。

演習問題[*] 2.38
定理 2.35 を証明せよ。
演習問題 2.39
次で与えられる陰関数に関し$\dfrac{dy}{dx},\dfrac{d^2y}{dx^2}$ を求めよ。
  1. $F(x,y)=1-y+xe^y=0$
  2. $F(x,y)=x^3y^3+y-x=0$
  3. $F(x,y)=x^3-3xy+y^3=0$ (デカルトの正葉線)
演習問題 2.40
$F(x,y)=2x^2-2xy+3y^2-1$ とする。
  1. $F(x,y)=0$ のとき $x$ の動きうる範囲を求めよ。
  2. 点$\kakko{0,\dfrac1{\sqrt3}}$ において, $F(x,y)=0$ で定まる陰関数 $y=f(x)$ について $f'(0),f''(0)$ を求めよ。
  3. 点$\kakko{0,-\dfrac1{\sqrt3}}$ において, $F(x,y)=0$ で定まる陰関数 $y=f(x)$ について $f'(0),f''(0)$ を求めよ。
演習問題 2.41
$F(x,y)$ は $C^2$級 で,$F(a,b)=0,F_x(a,b)\neq0$ とする。 $(a,b)$ の近傍で $F(x,y)$ が定める陰関数を $y=f(x)$ とするとき 次の問に答えよ。
  1. 関数 $y=f(x)$ が $x=a$ で極小であるという条件 「$f'(a)=0,f''(a)\gt0$」を $F(x,y)$ に関する条件に直せ。
  2. 関数$y=f(x)$が$x=a$で極大であるという条件 「$f'(a)=0,f''(a)\lt0$」を $F(x,y)$ に関する条件に直せ。

定義 2.36 3変数関数の場合は, 関数 $F(x_1,x_2,y)$ と, $F(a_1,a_2,b)=0$ となる点 $(a_1,a_2,b)$ に対し, $(a_1,a_2)$ の近傍 $(*2)$ で定義された関数 $y=f(x_1,x_2)$ が存在して $$F(x_1,x_2,f(x_1,x_2))=0,\hS b=f(a_1,a_2)$$ が成立するとき, $F$は点$(a_1,a_2,b)$の近傍において, 陰関数 $y=f(x_1,x_2)$ を定めるという。

定理 2.37 $F(x_1,x_2,y)$ に対し $$F(a_1,a_2,b)=0\hS, F_y(a_1,a_2,b)\neq0$$ ならば $F$ は $(a_1,a_2,b)$ の近傍で陰関数 $y=f(x_1,x_2)$ を定める。
このとき,$F$ が $C^{r}$ 級なら $f$ も $C^{r}$ 級であり, $\dfrac{\bd y}{\bd x_1}=-\dfrac{F_{x_1}}{F_y}$, $\dfrac{\bd y}{\bd x_2}=-\dfrac{F_{x_2}}{F_y}$ である。

演習問題 2.42
次の式が与えられているとき,$x,y$ を独立変数,$z$ を従属変数と見て, $z_x,z_y,z_{xy}$ を求めよ。
  1. $1+x+y+z+xyz=0$
  2. $x^2+2xy+y^2+z^2=1$


$(*1)$近傍とはある正数 $\delta$ に対し $\set{x}{|x-a|\lt \delta}$ となる集合のこと。
$(*2)$ここで,近傍とは, ある正数 $\delta$ に対し $\set{(x,y)}{\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2}\lt\delta}$ となる集合のこと。

Last modified: 2026/09/23 11:26